ソラニン

by ASIAN KUNG-FU GENERATION

2010.06.30

今までのアルバムからはまたちょっと違う新しさを盛り込んでいる「マジックディスク」、相変わらず最高。ただ、新しさとはいっても「サーフ ブンガク カマクラ」の時の迷いのある感じのサウンドではない。アルバム曲の中ではシングル曲が比較的浮く構成になってはいるけれど、やはりソラニンが何度も聴く度に良くなっていく気がする。十代後半から二十代前半の刹那と焦燥感剥き出しな、ストレートなサウンド。スピッツにとっての「隼」的な存在の「ワールド ワールド ワールド」。さしずめこのアルバムはスピッツで言うところの「三日月ロック」。年末から来年春にかけてのアジカンツアー、ぜったいチケットとるぞ!

さて、仕事の進みがイマイチ思わしくないまま終わる2010年前半。ま、ワールドカップやってるのに仕事やってる場合じゃないでしょ!後半戦頑張ろう。

butterfly swimmer

by school food punishment

2010.06.11

school food punishmentのライブ。ラストのButterfly swimmerは彼らのポテンシャルが全て凝縮された、彼らの中でも歴史に残る演奏になっていたと思う。初めてのツアーのファイナル。あのエネルギーと勢いは、彼ら自身もう超えるものは出せないかもしない。

それは、それが「若さ」起因するからだ。MCで語られた迷いや、全力の恋。メジャーデビューから一年という時間。「若さ」をロックに乗せた彼らはその「若さ」故に、まだバンドとしてのバランスの悪さも見せた。中盤は全体的にピースの調和が全然取れていなかった。 恵比須リキッドルームは中型の箱の中ではかなり音響が悪いほうだと思う。また、照明もあまりセンスがなかった。その辺を差し引いても、中盤の演奏は残念だった。対バンの短い枠や、野外ではあり得る演り方だと思う。でもそれも「若さ」。 アンコール後にアンプとピースのバランスを直した後は最高だっただけにもったいない。思うに、ベースはかなりボーカルのレベルに近いが、ドラムがちゃんと追いつけていない。ボーカルの良さは想像以上だったので、ちゃんとバンドとしては彼女についていかないといけない。彼女も中盤迷いがあったが。

だから今後に期待するよ。今日は最高レベルの演奏だったbutterfly swimmerとflowなどだけで十分の価値があった。lightprayerやfuturistic imaginationはちょっと残念だったけど次のレベルを今度また見せて欲しい。 インディーズから聴いているからそんな感じがしないけど、まだメジャーデビューから一年。ファーストアルバム。初めてのツアー。まだまだ若い。

futuristic imagination

by school food punishment

2010.06.10

「意味」なんて考えても結局自分自身を体現するものにしかならない。「理由」なんて、その時の気分の大小にしか落ちつかない。わかることは、全て自分が通ってきた道の分だけ。その道の中には、後部座席で居眠りしながら知らずに通り過ぎたものもたくさんあって、エレベータで運ばれてみる景色は、汗をかいて登った山のそれとは違うもの。

だから、今出来るベストを尽くそう。全力で走っていれば、いつか「意味」も「理由」も、過ぎ去った後にわかるさ。

生命とは何か、あるいはE-Cell Projectが向うべき場所

2010.06.02

生命とは何か。その答えを見つけたいとずっと思っているけれど、これはなかなか難しい。例えば一般的な定義である4性質(代謝、システム・境界、自己複製、変異・進化)だったり、突然変異と自然淘汰のネオダーウィニズムだったり、北野さんのロバストネスや合成生物学の制御・創造による理解などいろいろあるとは思うし、これらである程度説明はついている部分も、何か一つの理論を持ってこの問いに答えらないことも良くわかっている。その上でも、この問いに答える方法は何か。

まだ考え途中ではあるけれど、僕の立場としては、合成生物学的な、制御・創造による理解の立場をとりたい。ただし in silicoでのそれを。細胞を生命の最小単位として捉え、その全ての分子の空間的挙動までを一つ一つシミュレートすることで、一つの細胞をまるごとシミュレーションすることは恐ろしく早い計算機があればいつかは可能になる。これは個々の分子の挙動は物理学的な法則にのっとっているからだが、バクテリア程度の小さく単純な細胞であっても、まるごと分子動態レベルの詳細なシミュレーションはまだまだ無理だ。そこで、細胞を現段階の計算機でシミュレーションするために、モデルの抽象化を行う。例えば、分子を一つ一つモデリングするのではなく、酵素反応速度論の生化学に基づいてミカエリス・メンテン式で酵素反応を表現する。この抽象化は分子ネットワークの集合から「創発」されたルールを用いて行うわけだ。僕はここに「生命とは何か」に答える鍵があると思う。

つまり、現段階でシミュレートすることが計算機の能力的に不可能な生命現象があり、それを可能にするシミュレーションとモデルの抽象化を実現するためのシミュレーション技術、それこそが回答になるんじゃないかと思うのだ。実際には、これは「代謝とは何か」、「シグナル応答とは何か」という技術の積み重ねになり、その総体としての「生命とは何か」への回答となる。「創発」されたルールの記述がその領域の理解になることはまったく当たり前のことだけれど、全細胞シミュレーションを実現するための抽象化モデリング技法の開発、とこれを置き換えると、非常にわかりやすく目的と手法が提案でき、位置づけられないだろうか。

E-Cellプロジェクトはテクノロジープロジェクトと位置づけられていて、全細胞シミュレーションを実現するための技術とノウハウとプラットフォームを作製することを目的としている。僕は、E-Cellプロジェクトはだからこそ、この抽象化モデリング技法の開発と、それによる構成論的生命の理解を軸としたプロジェクトにしていかなければならないと思う。僕は僕でそのために必要なことをいくつか考えている。ここ数年で、それをいくつか世に出すことでこの意義を説いていきたいと思う。